|
あるとき、織田信長は、徳川家康に取れたての桃を一籠、贈りました。
季節はずれの11月のこと。
11月の桃なんて珍しい。家臣たちは喜びました。
ところが家康は、観賞用の1個を残して、残り全部を家臣たちに分け与えてしまいました。
「尋常でないものには、尋常でない事が備わっているかもしれない。」家康はそう考えたのです。
常日頃から用心深く、今でいう健康オタクだった家康は、季節はずれの桃に"用心"したのでした。
このことを聞いた武田信玄は、「家康、天下を狙うか」ともらしたとか。日常の些細な用心深さ。ここに信玄は、家康の天下取りへの意志をみたようです。
信長が贈り、家康が食さず、信玄が評した桃のお話。 |