● 筍の選び方 |
筍は鮮度が命です。皮につやがあり、うぶ毛のそろった、切り口のみずみずしいものを選びましょう。手で実際に持ってみて、見かけよりも軽いものは水分が抜けてしまっています。
先端の色も良く見てください。
良品‥‥黄色くて開いていないもの。
緑色になっているものは、育ちすぎてアクやえぐみが強く、茹でても筋が残ります。
孟宗竹は、形がずんぐりとした釣鐘型ものが良いとされています。また、外皮が薄茶色でしっとりとしていて毛ばだっていて、先端が黄色く、切り口が白くてみずみずしいものがよいでしょう。
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● 筍の下茹で |
「たけのこを掘りはじめたら、お湯をわかしておけ」と言われます。
まずゆがきましょう。
手早く下ゆですることであくが抜けて、新鮮さを保つことができます。
たけのこが手に入ったらすぐに下ゆでしてください。
<下茹での手順>
1. 皮付きのまま穂先の部分を斜めに切り落とします。
2. さらに切り口から皮の部分を縦半分に1本の切れ目を入れます。
3. たっぷりの水にぬか2カップと赤唐辛子2〜3本を入れて強火にかけます。
4. 沸とうしたら落としぶたをして、弱火で1時間以上ゆでます。
5. 根元に竹ぐしがすっと通るようになったら火を止めます。
6. ゆで汁の中でそのまま冷まします。
7. さめたらよく水洗いし、切り目から皮を開くようにして皮をむきます。
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● いろいろな筍のお話 |
@. 茹でたあと、すぐ水にあげると、たけのこにひびが入ったり、身が縮んでしまうことがありま す。
A. ゆでるときにぬかを入れるのはなぜ?
たけのこのえぐみの成分は、ぬかに含まれるカルシウムと結合して中和されるからです。 カルシウム分の多いわかめとの炊き合わせも良いです。
B. 塩やしょうゆはすぐには染み込みません。たけのこを煮ものにするときは、砂糖やみりんなど の甘い調味料を先に加え、しばらく煮こんで甘味が十分しみこんだあとに、しょう油や塩 などを加えるようにします。そうするとうまく味に馴染みます。
C. たけのこは部分により硬さが違います。
先端のやわらかい部分(姫皮といいます)は、細かく切って、酢の物や、あえ物にします。
ごぼうのように千切りにして炒め、水分を飛ばした後、唐辛子・ごま油・しょうゆ・みりんで味 付けながら再度炒めるとえも言えぬ香ばしさと食感のハーモニーでご飯が美味しく戴けてし まいそうです。
穂先は椀種や炊き込み御飯などにするとおいしいです。
中央部は、煮物、炒め物、揚げ物に適しています。輪切りにして調理できます。
上部はやわらかく、椀種、サラダ、あえ物、ご飯に使えます。
根元は繊維が多く硬いですが、薄切りやおろして揚げたり炒めたりするとおいしいです。
D. 取れ取れの筍の刺身も美味しいです。
朝早く、地面から顔を出す前に掘ったすぐの掘りたての筍は、その場でさっとゆがくか生のま まで薄切りにして食べることができます。
絶妙なバランスの歯ごたえと、草の香り、木の香りは手を合わせて筍に御礼を言うに値しま す。山の力、日の力、勿論竹の力のおすそ分けですから。
一年に一度のぜいたくという人もいるほどです。感謝。
E. 筍は生のままおいておくと固くなり、えぐみが増します。
保存する場合は、下ゆでをしてあく抜きをしてください。あく抜き後、水に浸して密封容器に入 れ、冷蔵庫で保存します。時々水を入れ替えれば、10日ぐらい持ちます。
F. 水煮を買ってきたときは、水を張った容器に移し替えて冷蔵庫で保存します。賞味期限内に 食べきってください。
G. 筍は食物繊維が多く、冷凍保存しても解凍するとベタベタになり、食感も風味も 落ちてしま います。
H. メンマは、中国の筍を長期保存できるように加工した保存食です。
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● 筍は健康によい食べ物です |
○たんぱく質が豊富で、ビタミンB1、B2、ミネラルを含みます。
○豊富な食物繊維は、便秘の予防・改善だけでなく、大腸がんの予防やコレステロールの吸収を抑え、体外に排出してくれるという効果があります。
○うまみ成分はグルタミン酸やチロシン、アスパラギン酸などのアミノ酸によるものです。
○ゆで筍の白い粒々はチロシンで人体に害はありません。
○えぐみを感じるもとはホモゲンチジン酸や蓚酸(しゅうさん)です。
○えぐみは、堀り出してから時間が立つごとに増加しますので、手早く灰汁を抜いて食べましょう。
○筍は精が強く、食べ過ぎると吹き出ものやアレルギーに似た症状を起こす人がいます。これはコリンやノイリンという物質が原因だそうです。
○大腸がんの予防や便秘の改善にも効果があります。
○わずかですがカリウムを含んでおり、体内のナトリウムを排出する効果が期待でき、高血圧の予防になります。
○低カロリーの上に食物繊維が多く、便秘の予防や解消、コレステロールの排出にも効果があるのでダイエット食として適しています。
○うまみ成分の一つ、アスパラギン酸は、グリーンアスパラガスなどにも含まれる成分で、疲労回復に効果があります。
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